現場力を喚起し、経営管理のメタボを解消する ── 株式会社フュージョンズ

Management Intelligence Architecture (MIA):経営管理システムの基盤

MIAのコンセプト

ERPの主たる対象範囲である「取引処理」領域と同程度の重要な役割を担い、かつ、それとは性格を異にする独自の「業務」が存在するのが「経営管理」領域である。フュージョンズはそう考えています。

この領域の業務の支援には、BI(ビジネスインテリジェンス)などのポイントソリューションでは不十分であり、この領域の独特のニーズを踏まえた統合システムが必要であると考え、私たちはそれを、Management Intelligence Architecture (MIA)と名付けました。

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Management Intelligence Architecture (MIA)

事業活動に係る計画・報告・評価、いわゆる経営管理プロセスの支援に必要な機能群を備えた統合システム概念。

Management Intelligence Architecture (MIA)の特性

私たちが「Management Intelligence Architecture (MIA)」という概念を提唱するのは、経営管理業務を適切に支援するには、取引処理のサポートを主たる役割とするERPや、情報提供/分析の支援を主に目指すBIとは異なる特性を持つITインフラが必要と考えるためです。それらの特性のうち主要なものを以下にあげます:


経営情報の加工・編集・共有プロセスに対するリアルタイムサポート


経営管理システムの対象には、予算編成、個別業務計画(例:販売計画)など、PDCAサイクルに必要な計画系業務が含まれ、実績数値の参照や、基幹システム以外の情報源からの情報入力、パラメータ値等を設定したシミュレーションなど、都度情報加工が必要です。また、実績管理においても、グループ会社のコード体系の変換や科目組み換え、配賦計算などの加工が必要です。

共有・報告されるべき経営情報とは、生データそのものではなく、加工・編集された情報であり、経営管理システムは、経営情報の加工~編集~共有という試行錯誤性の高い業務をリアルタイムでサポートする必要があります。


経営情報の加工・編集・共有プロセスに対するリアルタイムサポート

多次元集約データを対象とする加工・編集とバージョン管理


業績管理、利益管理等、予実対比を伴う、伴わないに関わらず、経営管理の目的に従った切り口での情報分析が必要です。また、着地見通し等、様々な切り口での将来予測情報のシミュレーションも都度必要となります。多次元データを対象としてリアルタイム更新/集計が可能であるとともに、その多次元データについて任意の数のバージョンを設けて管理する機能が必要です。


多次元集約データを対象とする加工・編集とバージョン管理

経営データの分散と統合


計画・実績を問わず、一連の経営管理プロセスの完了時には、確定された唯一のバージョンの経営データが共有されるべきです。
一方、そこに至る過程では、プロセスに参加する部署ごとに異なるバージョンの作業データが存在し、かつ、そうした作業データも、分析や部署内での報告の対象となります。Management Intelligence Architecture (MIA)システムは、こうした分散的なデータの修正と利用をサポートする基盤を提供し、その上で、データの最終的な統合を支援する必要があります。


経営データの分散と統合

変化の速い経営管理要件への追随性


経営環境、またそれに対応した経営ニーズは刻々と変化しています。経営ニーズへの回答のため、まずはExcel等を活用し手作業にて対応しながら、新たなニーズに応えるべくシステム開発を行うが、完成した頃には役に立たない、こんなことが繰り返されていないでしょうか。経営管理システムには、こうしたニーズの変化に柔軟に対応し、継続的に成長できるシステム構築/拡張の容易性が必要です。


変化の速い経営管理要件への追随性

EUC/BIでは、何が足りない?

EUCやBIにより、基幹システムからの情報入手及びその分析は容易になったものの、経営管理上必要となる様々なシミュレーションの実施、報告などの作業には、Excel上へデータを転記・参照などが必要です。基幹システムの数値や、コードの差異などがあった場合、Excel上へのデータ転記からやり直さざるを得ず、またExcel上のデータの管理はユーザーに委ねられ、バージョン管理等を含め取り扱う情報量が増えるに従い、煩雑さが増しています。

経営情報が作成された後の情報提供プロセスはサポートされているものの、経営情報そのものの加工・編集・共有プロセスはサポートされていないのではないでしょうか。またDWH(データウェアハウス)やDM(データマート)の構築には、相応の時間を要するため、経営ニーズの変化に追随しきれていないのではないでしょうか。


統合の重要性

前述のようにBIツール単体では経営管理領域のニーズに応え切れないとしても、例えば、データ収集機能をWebデータ収集ツールで補完し、データ加工機能を専用パッケージで補完するといったアプローチはとれないでしょうか。

こういった「ポイントソリューションの組合せ」アプローチと異なり、Management Intelligence Architecture (MIA)は、統合基盤システムを要求しています。

経営情報に対する多角的な分析やバージョン管理といったニーズは、経営管理プロセスの全般に渡って横断的に存在します。プロセスをステップに分け、それぞれに異なるツールを適用するアプローチでは、これらのニーズに的確に応えられないと、私たちは考えているからです。



例えば、予算データを承認する際には、前回提出予算と比較して変更されている箇所を簡単に把握したい、あるいは確定前の予算を部門内で仮集計してその妥当性を確認したいと考えます。多角的な分析は、確定したデータのみが対象ではなく、データを検証し、調整して確定していくプロセスの中でこそ必要です。

  • 分析という独立した業務があるわけでなく、経営管理に関わる全ての業務において分析が必要です。
  • 確定提出済データを経理部が集計したいだけではなく、ワークフローの途中で、営業本部においても、配下の支店から提出された予算データを、承認前に集計して確認したいはずです。
  • 各部署は、上記のような未確定データであっても、エクセルに取り出してグラフ化し、中間報告資料を作成したくならないでしょうか。

ポイントソリューションの組み合わせでは、こうした複合的ニーズへの対応に難があります。
経営管理システムは、基礎データの入力~収集~集計~加工~分析~報告~見直し/アップデートに至る全てのプロセスに対応する統合システムとして構築すべきです。

BPM/CPM/EPMとの関係

BPM: Business Performance Management、 CPM: Corporate Performance Management、EPM: Enterprise Performance Managementなど、 ビジネス業績管理といった概念が語られることがあります(※)
MIAは、まさにこれらの業績管理を含めた経営管理全般のために必要な統合システム概念です。すなわち、BPM/CPM/EPMを支えるツールは、少なくとも、Management Intelligence Architecture (MIA)の4つの特性を満たすべきであると、私たちは考えています。



CPMは、市場調査大手の米ガートナーが提唱しているもので、ガートナー自身は「企業がビジネス・パフォーマンスを測定、監視、管理するためのプロセス、方法論、評価尺度、テクノロジを包含した概念」と定義しています。ベンダによっては、同様の概念を、EPM、BPMと呼んでいます。弊社の考えは、呼称はどうあれ、xPMを構成するテクノロジが満たすべき特性を適切に表現すれば MIAとなる、ということです。